| いろいろなキューバが見えてくる | |
| Vol.2 「E-メールで キューバ便り」
No.3 森 幹雄 (ハバナ大学大学院在院)
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2000年11月27日
第2回世界友好連帯会議−オルターネイティブをもとめて 今回は、2000年11月10日から14日にかけてハバナで開催された「第2回世界友好連帯会議」の模様について述べたいと思います。同会議の第1回目が開催されたのは1992年のことだから、実に8年ぶりの開催です。前回はソ連をはじめとする東側ブロックの崩壊直後のことだったので、討議された内容も、再編される世界構造のなかで第三世界諸国がいかに生き残っていけるかという、多分に政治的なものだったけど、今回の議題は経済的なものにその焦点が置かれていました。 つまり、グロバリゼーションという名のもとに世界的な経済統合が進むなか、第三世界諸国のさらなる連帯を、というわけですね。 今大会には100カ国以上から約4000人が参加しましたが、キューバ側も、カストロ首相をはじめとして、外務大臣フェリペ・ペレス・ロケ、全国人民権力議会議長(日本でいう国会議長)リカルド・アラルコン、国家評議会副議長カルロス・ラヘ、キューバ人民友好協会代表セルヒオ・コリエリなど、錚錚たるメンバーが長時間にわたる演説を行ないました。 なかでも、やっぱりさすがだな、と思わせられたのがカストロ首相。出てきただけで聴衆はスタンディング・オベーションです。目がきらきらと輝いて、まるで、アイドルスターを目の前にした少年のように嬉しそうです。 そのカストロが演説の皮切りに、ドミニカ共和国代表団に向かって「ドミニカでは散髪代はいくらかかるの? あんまり高いことは言わないでね。キューバの散髪屋さんが亡命しちゃうといけないから。」 と、きわどいジョークをとばしたものだから、会場は盛り上がる盛り上がる。さすが20世紀最後の大物政治家、役者が違います。 カストロさんはいつも軍服を着ているので、日本では少し堅いイメージがあるかもしれませんが、事実はその逆です。やっぱり彼もキューバ人、人をもてなすことにかけては天性のものがあります。もし生のカストロを見てみたいという人がいるなら、5月1日のメーデーか、7月26日の革命闘争記念日にキューバを訪れてください。このような国際会議に参加しなくとも彼の演説が聞けます。 さて、聴衆のほうに目を向けてみると、いるいる、コアーな人たちが。手製の金正日Tシャツを誇らしげに着ているカナダの若者はまあ置いておくとしても、ボランティア活動を行なって毎月3万ドルをキューバの厚生省に寄付しているというオーストリアの企業家、南アのマンデラの元秘書、パレスティナの独立運動に従事している青年、ゲバラの帽子をかぶったハーバード大学の法学部教授、給料の半分をキューバ政府に寄付したいというベネズエラの銀行家(「気持ちだけ受け取っておきます」とのキューバ側の回答)などがいました。
このような傾向は日本人のなかでも見受けられます。大使館の職員のなかにも、寝る間を惜しんでキューバの研究に没頭している人がまいすし、足繁くキューバに通ってくる人たちも同様です。彼らは僕に尋ねます。「いつから住んでるの? そう、僕は○○年に初めてキューバに来たんだけどね」と。まるで先に見つけたのは俺だよと言わんばかりでおもしろいです。このような現象はあまりほかでは見かけません。 キューバの何に人は惹かれるのかは勿論ケース・バイ・ケースだと思うけど、今回の世界会議に参加した人に関して言えば、はっきりしてました。それは、世界が急速な勢いで進む経済的グロバリゼーションのなかにあって、キューバが唯一の代替案であるということ。「オルターネイティブ」。これが今回の会議を集約できる言葉でした。 このさきキューバがどのような社会を創っていくのかはわからないけど、まだまだ熱い視線がこの国に注がれそうです。 (C)Photo by Mori Mikio 2000.
(続く→No.4) |
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