| いろいろなキューバが見えてくる | |
| Vol.4 「教育優先国キューバ共和国を訪ねて」
その4(最終回) | |
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先日、日本の「教科書検定問題」で韓国政府から再修正の要求がでてきた。その内容の多くは「新しい歴史教科書を作る会」が編集したものに対してだった。内容は不明確やあいまいな内容ではなく「明確な誤り」とされ、正に客観的な指摘によるものである。このことに対して、文部科学省遠山敦子氏は「客観的・学問的見地から精査したい」と発言している。この言葉がいつもの日本人特有の政治言葉や官僚独特の逃げ腰でなければよいのであるが・・・。たとえ自然科学の内容でなくとも正しいものは正しく、誤りのものは誤りとして対処していかなければいけない。過去において再三、日本帝国主義や他国の帝国主義国家が侵してきた人間社会に対しての悲惨な事実があったはずである。二度とあの過ちを犯してはならない。そのためにも我々国民が常に危機感をもって監視と批判を怠ってはならないのであろう。
今回の所在地は高等学校と同様に市街地からやや離れた所に存在する。校舎は当然ながら1階建てであり、車イスなどでの移動がしやすい様に工夫されていた。また、この学校では通常学級への通過点としての役割があるようである。クラスは編成されているが、生徒数はクラスあたり2〜5名である。
また、写真を撮り忘れてしまったが、体育館ではリハビリ用具が何十種類と整備され、プログラムに応じた種目を子ども達はこなしているのを見学できた。もちろん体育の授業の一貫としての取り組みであるため、医師の資格をもった教員がこの授業を担当していた。 一方、この学校の中庭では他の通常学校の児童が遊びに来ており、それぞれ障害児と健常児との混成チームを作り野球の試合を行っていた。この分け隔ての無いチーム編成などは国家の教育の結果ではなかろうか。
この障害者学校でもやはり多くの人種の肌をみることができた。スペイン系・アンティ―ル系そしてアジア系となんと多くの人種が共存しているのだろう。15世紀からのスペインの侵略、16世紀からのアフリカ黒人の移民、中国人の移民そして少数ではあるが日本人の移民。まさに人種にも障害者にも差別感のない「ヒト」の為の国家作りが成功している例として手本になる地球上の例ではなかろうか。 またこの学校は全寮制であり、良い面では専門家の直接指導があり、悪い面では家庭に帰れるのが年に2回だけだそうだ。また、病院や家庭から外出できないでいる子ども達にとっては、訪問を専門とする教師も準備されているという事であった。
ここで、前回も少し述べたが国民の健康の話しを交えておこう。キューバ国内での平均寿命は革命以前では55歳に達していなかったが、現在では男性が73.5歳、女性が77.5歳を示している。この現象は革命前の悪条件下での人民の経験から、健康と保健の分野にやはり国家予算が注入されたためである。医師と看護婦の養成、医院と病院の増設、科学・医薬分野の研究費増強などもおおきなこの国のテーマであったはずである。 さて、この様な体制の教育環境を作り上げてきた国家であるが、ここに来るまでの時間と努力、そして信念を我々は感じとらなければならないであろう。第一に、国民と地球規模でのヒトの幸福であるべき状態の結論を提示すること。第二に、その為に行うべき行動として教育の重要性と人民の健康に基礎を置いた社会構築。第三に、この考えのゆっくりした程よい実践と拡大。これらを感じ取ることができた。 東京や香港の様に、セカセカ町を歩くサラリーマンや商社マンのエネルギーはこの国にはない。ほとんどすべての人間が国家公務員であり、生きている時間を楽しみ満喫している。子ども達も笑顔がこぼれ、太陽のエネルギーを勝ちとっている姿の美しさ。そんな様子をマルティとゲバラは見守っていることであろう。
(終)
(C)Photo by M.Taguchi 2001. |
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